サイレントナイト~赤くて静かな夜~
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「いらっしゃい!
おう、オカジマちゃん」

「伊吹」の店主、豊城はオカジマの姿を見ると汗だくの顔を上げて愛想良く片手を上げた。

「おう、おっちゃん。伊吹ラーメン2つ」

オカジマが奥の座席に座ると、シズカは真似をするようにオカジマの向かいに座った。

「ラーメン好き」

シズカが笑った。

「いいことだ」

「お父さんがね、伊吹ラーメンは美味しいって言ってたよ」

オカジマは眉をピクッと動かした。

「お前の親父はこの店知ってんのか?」

「うん。おかじまこうすけっていうの」

オカジマは手にしたグラスを思わず落としそうになった。

「お前、なんで俺の親父の名前知ってんだよ」
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