サイレントナイト~赤くて静かな夜~
オカジマは、言葉を失ったままシズカの白い顔を見つめた。

穏やかな表情からは、過去の深い心の傷など到底想像できないからだ。

「でもお前、いきなりうちで養うって言ってもなあ…」

オカジマが何かを考えるように下唇を噛むと、シズカはふるふると首を横にふった。

「養わなくていいんだよ。私、オカジマにお願いがあって来たから」

「お願い?」

シズカは「うん」と微笑んだ。

「あのね、私、オカジマに死に方を教えてもらいにきたの」
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