サイレントナイト~赤くて静かな夜~
「お前相変わらず寝起き強えなあ。
俺寝起きにいきなり激しく動けねえよ」

そういってオカジマは、首筋にキスを続ける姫芽の頭を撫でた。

「オカっちオヤジ~」

「誰がオヤジだよ。
俺はまだ18だ」

オカジマは眠そうに姫芽の頭をパンパン叩いた。
姫芽は「叩くなオヤジっ」と頬を膨らませると、

「いーじゃん、今日仕事休みなんでしょっ」

といって、素早く布団に潜りこんでいった。

「おい姫芽、待てよ」

言葉とは裏腹に、オカジマはまんざらでもない様子で目をつぶった。

オカジマは知らなかった。

開け放したままの窓から入る朝の空気を大きく吸い込み、姫芽の唇に意識を集中させているのとちょうど同じ時、


ユリ子は警察からの電話をとっていた。


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