サイレントナイト~赤くて静かな夜~
優介の強い語気に圧されたのか、信子は抵抗をやめてだらんと腕を落とした。

「もう…お父さんさえ生きてれば優介が不良になんてならなくて良かったのに。
お父さんさえ死ななかったこんなことにならなかったのに…」

酔って泣き出す信子に答えず、優介は部屋をでた。

その通りだよ、母さん。

この家がおかしくなったのはあの時からだ。

親父があいつに、殺されてからだな。

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