サイレントナイト~赤くて静かな夜~
「そうだ」
オカジマは階段を降りると、玄関にかけてある鍵の束を手にとり、廊下の左にある引き戸を開けた。
そこはそのまま工場の事務所に繋がっていて、10畳ほどのスペースに長机とロッカーがおいてある。
その長机を8つのパイプ椅子が囲み、今はオカジマと八丁堀しか使用していないその空間は、かつては岡嶋工業の従業員で溢れていた。
事務所を抜けると、薄暗い工場にでる。
閉めきった工場は蒸し暑く、湿気をおびた熱気とともにオイルと鉄の混じった臭いがオカジマの鼻をついた。
工場の奥へ進むと、古びた灰色の扉がポツンと浮かび上がる。
オカジマは鍵束から、小さな鍵を探し出した。
何年も使っていなかった鍵は、錆びて黒ずんでいた。
鍵をゆっくり差し込んで右に捻ると、ガチャッという鍵の開く鈍い音がする。
オカジマは冷たいドアノブに手をかけて、ゆっくりと自分のほうへ引いた。
オカジマは階段を降りると、玄関にかけてある鍵の束を手にとり、廊下の左にある引き戸を開けた。
そこはそのまま工場の事務所に繋がっていて、10畳ほどのスペースに長机とロッカーがおいてある。
その長机を8つのパイプ椅子が囲み、今はオカジマと八丁堀しか使用していないその空間は、かつては岡嶋工業の従業員で溢れていた。
事務所を抜けると、薄暗い工場にでる。
閉めきった工場は蒸し暑く、湿気をおびた熱気とともにオイルと鉄の混じった臭いがオカジマの鼻をついた。
工場の奥へ進むと、古びた灰色の扉がポツンと浮かび上がる。
オカジマは鍵束から、小さな鍵を探し出した。
何年も使っていなかった鍵は、錆びて黒ずんでいた。
鍵をゆっくり差し込んで右に捻ると、ガチャッという鍵の開く鈍い音がする。
オカジマは冷たいドアノブに手をかけて、ゆっくりと自分のほうへ引いた。