サイレントナイト~赤くて静かな夜~
「オカっち!」

いつの間にか、姫芽の後ろにオカジマが立っていた。

「どこ行ってたのよ!」

「ちょっと呼び出されてな。お前こそ、いつ来たんだよ」

そう言ってさりげなく辺りを見回したオカジマは、ふと異変に気がついた。

「姫芽、お前ユリ子の部屋入った?」

「え?入ってないし」

オカジマの視線の先は、隣の部屋に向けられていた。
今まであまり覗いたことのなかったその部屋にそっと目をやり、姫芽は思わず息をのむ。

「…なにこれ。ぐちゃぐちゃじゃん」
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