サイレントナイト~赤くて静かな夜~
重く深いまどろみから、少しずつ意識がよみがえる。
姫芽が重いまぶたをうっすら開くと、カーテンからもれる朝の光が姫芽の顔を照らしているのを感じる。

鬱陶しそうに寝返りをうつ。

いつもそこにいるはずのオカジマがいない。

そうだ、オカっちは工場に出たんだった…

ぼんやりと考えながら、再び目を閉じようとしたその時、

姫芽の背後を確かな気配が横切った。
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