恋する星曜日~Pure Love Story~
「カノジョ? あぁ、いるよ」
アッサリと言い放たれたカイト先輩の言葉に、あたしは一瞬、頭が真っ白になった。
「そ……そりゃ、そうですよね。
先輩、かっこいいし。
モテそうですもんね。
あっ、ていうか、だったら毎週あたしとこんな風に会ってるの、カノジョさんが嫌がったりしないんですか?」
「かっこいいとか、モテそうとか、ほめ殺しありがとう」
クスクス笑いながら、カイト先輩はコーヒーカップを手にした。
あたしは、カップを持つ、ゴツゴツとした大きな先輩の手を見つめる。
この手に抱きしめられたあの展望台でのことをふいに思い出し、心拍数が上がる。
けど。
……カノジョ、いるのかぁ……
その事実に、意外なほどヘコんでいる自分に驚いてしまう。