恋する星曜日~Pure Love Story~
「昨日ね、あの後カイト先輩が展望台に連れてってくれたのよ」



カヨから聞かされたその言葉が、あたしには信じられなかった。

というより、信じたくなかった。



「……展望台?」



「ほら、セーラが星を見に連れて行ってもらったっていう海。

セーラが話してくれた展望台に、あたしも行ってみたくて。

せがんだら、カイト先輩、連れていってくれたの」



その報告は……

正直、かなりショックだった。


あの場所は、あたしなりに、思い出の場所になったていたのに。

あたしにとって、大切に思う場所となっているのに。


カイト先輩にとっては……


誰でも気軽に連れて行く場所だったのか……


その事実が、あたしの心をチクチクと刺す。

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