恋する星曜日~Pure Love Story~
夏の公園。

満月の夜。

しかも七夕。

「お前が初恋だった」と言われて。

ちょっと強引なキス。

背中に回る腕。



すべてが憧れのシチュエーションだったけど、相手が、今現在好きな人でなければ何の意味もない。


2ケ月前のあたしなら、ダイスケとのこんな展開は、夢にまで見たものだったろうけど。

季節は移りゆく。

今のあたしは……

カイト先輩のキスしか、欲しくない――


ゴシゴシと拭ったあたしの唇は、きっとグロスが唇からはみだして、ヒドイ状況で。

あふれる涙で、マスカラも落ちているだろう。


そんなときに限って……

今、誰よりも会いたくない人が、あたしの肩をたたいたのだった。


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