恋する星曜日~Pure Love Story~

車に戻ったときには、時刻は22時を過ぎていた。

こんな時間なのに、帰るわけではなく「これから出かける」というシチュエーションに、なんだかドキドキする。


ママはあたしが学校で、部活のみんなと徹夜で天体観測をしていると思っているのに。

今現在のあたしは、こうして「男の人の車の助手席」に座っているわけで。

ママに嘘をついて悪い事をしているような、スリリングな気持ちになったりする。


だって、今日は朝まで部活ってことになってるんだよ?

つまり、朝帰りでいいんだよ?

朝までカイト先輩と一緒。

まさか何も起きるわけはないけど……

二人きりで朝まで……って!



ドクンドクンと大きく波打つ心音が先輩に聞こえるんじゃないかと、急に心配になって。


「音楽でもかけてください」


あたしは慌てて、先輩に頼んだ。


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