恋する星曜日~Pure Love Story~

「――というわけで、勉学に励み、有意義な夏休みを過ごしてください。では、解散!」



担任の声に、日直が慌てて「起立、礼」と号令をかけた。

おじぎから、顔を上げた瞬間。

クラスみんなの、笑顔がはじける。



「やったー! 夏休みだ!」



「ねぇ、夏休み中に海に行こうよ、海!」



「俺、さっそく明日から予備校の夏期講習だよー」



みんなが席を立ち、騒ぎはじめる。




「セーラ、一緒にカキ氷食べて帰ろうよ」



カヨがかばんを持って、あたしの方にやってきた。



「うん!」



笑顔で答えた、あたしの背後から――



「セーラ」



声をかけてきた人がいた。
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