恋する星曜日~Pure Love Story~
「セーラ、どうかした?」



「え? あ、いいえ。

あの、ありがとうございます。

カイト先輩がそう言ってくれたから、ママも分かってくれたみたいで。

お小言は、ほんの少しで済みました」



「そっか」



「……あ! でも、先輩!

一緒に病院までついて来てくれたということは……

先輩も奄美大島には行かれなかったんですね。

皆既日食、あたしのせいで見られなくて、ごめんなさい」



あたし、とんだ足手まといになってしまった。



「いいよ、別に。

またいつか、見るチャンスはあるさ。

来年はイースター島で見られるらしいよ。

さすがにそれは遠いけど、人生は長いから、いつかどこかで見られるさ。

……いつかどこかに、また一緒に見に行こうな」


< 224 / 438 >

この作品をシェア

pagetop