恋する星曜日~Pure Love Story~

だけど

「はい。はじめまして、速水星来です」

カイト先輩の友達なのだから、とガマンして笑顔で挨拶をした。

なのに。



その人はカイト先輩に

「成人が子どもに手を出すとヤバイぞ。気をつけろよ」

そんなことだけ言って、「じゃあな」と去っていった。




――なにあれ。

ヤな感じ。

あたしが高校生の子どもで悪かったわね。


去っていくその背中に、あたしは心の中で、ベーっと舌を出す。



「ごめんな、セーラ」


カイト先輩が謝ってきたから、あたしは慌てて首をふり――


「ううん」


気にしてないよ、と答えたけど――


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