恋する星曜日~Pure Love Story~
この場合、正直に、五味先生に恋人らしき人がいることをカヨに教えるべきなのか。

それとも、せっかく前向きにがんばろうとしてるカヨに、水を差すようなことは言わない方がいいのか……



「セーラ?」



いきなり黙り込んだあたしの顔を、カヨがのぞき込んできた。



「あ、ううん、なんでもない。……そういえばあの先生、五味って名前なのね」



「うん」



「じゃあさ、もしカヨがあの先生と結婚したら、『ゴミかよ』って名前になっちゃうね」



あたしは慌てて、そんなことを言ってごまかした。



「それ、言わないでよ。

あたしも気にしてるんだから。

セーラが前に『星野星来』ってヘンだよねって言ってたけど、『ゴミかよ』の方が最悪でしょ?」



最悪、と言いながらも、五味先生のことを話すカヨはどこか楽しそうで。


あたしはその笑顔を前に、複雑な気持ちになったのだった。
< 263 / 438 >

この作品をシェア

pagetop