恋する星曜日~Pure Love Story~
めまぐるしく時は過ぎ、秋が深まって……

大学祭の日がやってきた。

それは、あたしの誕生日でもある。



「明日、朝5時に迎えに行っていいかな。

みんなが来る前に、見せたいものがあるんだ」



カイト先輩からそんな電話があったのは、前夜のことだった。




――当日、まだ外が薄暗い明け方に、カイト先輩が車で迎えにきた。



「おはよう、寒いね。乗って」



走り出した車の窓から見える見慣れた街並みも、まだ静かで、印象が違う。



「飲む? コンビニで買ってきたんだけど」



先輩が、温かいコーヒーを差し出してくれる。

あたし好みの、ミルクと砂糖入りだ。


コーヒーはブラック派の先輩だから、差し出されたコーヒーはあたしのために買っておいてくれたものなのだと分かる。



手の中に受け取ったのは、温かいコーヒー。

そして、心の中に受け取るのは、温かい気づかい。


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