恋する星曜日~Pure Love Story~
大学近くの駐車場に車を止める。


降りて歩きはじめると、半歩前を歩く先輩が、後ろ手に手を差し出してきた。

あたしはそっと、その手に自分の手を重ねる。

朝モヤのけむる中、握られた手から伝わってくる、ぬくもりが愛しい。



時間が時間だけに静まり返る構内を通って、カイト先輩が案内してくれたのは、体育館だった。



「……うわぁ、すごい」



体育館に一歩入るなり、あたしの口から思わず歓声がもれる。


そこには大きなエアドームが設置されていたのだ。



「すごいだろ。このプラネタリウム、全部手作りなんだ」



直径12メートルのこのプラネタリウムは、アマチュア最大級だという。

また、大学天文部のプラネタリウムとしては唯一、レンズ式恒星投影機を使っているのだと、カイト先輩が教えてくれた。


レンズ式恒星投影機がどんなものなのかは、あたしにはよく分からないけど。

とにかく、何かすごいものらしいということだけは理解した。



「中に入ってごらん」



「いいの?」



「ああ、セーラだけに誕生日特別先行上映。そのために、朝イチで来たんだ」





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