恋する星曜日~Pure Love Story~
上映が終わって――


「カヨちゃんが、セーラが欲しいのは俺と二人きりの時間と空間だって言ってただろ。

だから、二人きりの宇宙空間を演出してみたんだけど……ちょっとキザだったかな」



照れ笑いをしながら、カイト先輩は明かりをつけたけど。



「……どうした?」



あたしを見ると、驚いた顔をした。



「何で泣くんだよ」



あたしの瞳から、涙がこぼれ落ちていたからだ。


頬をつたうあたしの涙を、先輩は指で拭ってくれて。



「泣かせるつもりじゃなかったんだけどな」



そう言いながら、あたしをそっと抱き寄せる。



「じゃあ、どんなつもりだったんですか?」



「んー、感動させるつもり、かな」



「だったら、同じことです。だってあたし……」



あたしは先輩の背中に回す腕に、ギュっと力を入れた。



「感動して泣けてきちゃったんだから」

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