恋する星曜日~Pure Love Story~
「……カイト先輩?」



あたしがカイト先輩のコートをクイっと引っ張ると、先輩はハっと気づいたように、あたしに顔を向けてきた。



「あぁ、あの……この人は俺たちの高校の先生だった人で……」



そこまで言って、先輩は言いよどむ。


あたしも、ハっと気がついた。

それって、もしかして……!



かつて、カイト先生から聞いたことを思い出す。


キタムラ・サヤカ先生と高校生の五味少年の恋。

引き裂かれて終わった、二人の恋――



「高校の先生? うちの高校の先生だった方なんですか?」



事情を知らないカヨが、サヤカさんに向かって、素朴な疑問を口にした。
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