恋する星曜日~Pure Love Story~
五味先生とサヤカさんを、あえて二人っきりにしようとするなんて。

どうして?



カヨは少し目を伏せて。

それからか顔を上げてあたしを見ると、寂しそうに笑った。



「だって、あたしが五味先生なら……

奇跡的に再会できたかつての想い人と、ちゃんと話す機会が欲しいもん。

このまま、意地を張ってちゃんと話す機会もなく帰ってしまったら、絶対に後悔する。

だから……後悔しないように、話して欲しいの」




「カヨ……」



「カヨちゃんはいい子だな」



そうよ、カヨはいい子なの。

こんないい子なんだから、五味先生は、カヨを選べばいいのに。

選べばいいのに……!


声にならない言葉が、あたしの中で渦巻いていた。
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