恋する星曜日~Pure Love Story~


「恋は求めるもの、愛は与えるものっていうけど……カヨちゃんの気持ちは、恋じゃなくて愛なんだな」



カイト先輩が、ポツリとつぶやいた。



恋は求めるもの、愛は与えるもの――



カイト先輩の言葉に、あたしは考える。

あたしはどうだろう。

カイト先輩に、何か与えられているのだろうか。



ふとカヨを見ると、空を見上げるカヨの瞳がうるんでいたから――

あたしは、そっとカヨを抱きしめた。



「……出会いは、ドラマみたいだったのになぁ。エンディングまではそう上手くはいかないか」



カヨは上を向いたままそう言った。



「だけど、出会えて良かった。この数ヶ月、とっても楽しかったし」



「うん」



あたしは、カヨを抱きしめたままうなずく。

カヨは、今にも涙がこぼれ落ちそうなほどうるんだ瞳をしているのに、必死に上を向いて、涙をこらえているようだった。
< 344 / 438 >

この作品をシェア

pagetop