恋する星曜日~Pure Love Story~
逃げるしかないっ!


クルリと回れ右をして、逃げようとした。

けれど、その時。



「待って!」



その人が、あたしの手首をパシっとつかんだ。

あたしは、その人の方に振り向けず、そのまま固まる。


どうして引きとめるのよ。

引きとめないでよ。

あたしのあんな場面を見た目撃者と再会なんて、冗談じゃないってばぁ!



「君、もしかしたら、この前の子じゃない?」



「……」



「駅前広場で、その……」



その先は言わないで!



「この前の子、だよね。……あのさ、あの時は、悪かったよ」



え?



意外な言葉にそろそろと振り向くと、その人は

「あの時はごめん」

そう言いながら、ゆっくりとあたしの手を離した。


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