恋する星曜日~Pure Love Story~
「おい、五味! 新郎新婦を囲んで写真を撮りたいんだけどー」
そう呼ばれて、「おう、今行く」と返事をした五味先生は、「じゃあな」とあたし達に背を向け――
思い出したように、振り向いた。
「カヨ、お前に渡したいものがあるんだ。受付に預けてあるから、帰りに受け取って帰ってくれるか」
「なんですか?」
「俺の感謝の気持ち」
それだけ行って、五味先生は再び背を向けたから……
「五味先生、カヨだけですか? あたしにはー?」
その背中に、あたしが問いかける。
五味先生は笑って、背を向けたまま、手を振った。