恋する星曜日~Pure Love Story~
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これは、本当はあの日……誕生日に軽井沢で渡そうと思っていた本なんだ。

ずいぶん遅くなってしまったけど、受け取って欲しい。

色々、ごめん。

それから、本当にありがとう

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メモを読み終えると、カヨはメモを再び挟んで、パタンと本を閉じた。



「……さっき、五味先生があたしのことを『カヨ』って呼んだでしょ」



「うん」



「名前で呼んでもらったの、さっきが初めてだったの」



「……うん」



「そのとき分かったんだ。

名前を呼び捨てにされるのが、あんなに嬉しいのは……

あたしが今でも、五味先生のことが好きだからだって」



「カヨ……」

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