恋する星曜日~Pure Love Story~
その人は、申し訳なさそうな顔であたしを見ていた。


「あんなもの渡して、驚かせちゃったよな。

初めて見たなら、アレが何か分からなくて当然なのに、俺、爆笑したりして。

君も、すごい顔して逃げちゃったし。

傷つけちゃったんじゃないかって、気になってたんだ。

まさかまた会えると思ってはいなかったけど、会えたら謝りたいと思ってた」



その人は真面目な顔をして。



「本当にごめん」



そう言って、頭を下げた。



「いえ……」



あの時のことは、思い出すと顔から火が出そうで、やっぱり逃げたいけど。

申し訳なさそうなお兄さんの顔を見ていたら、逃げ出すのは悪いような気がした。



その時だった。

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