恋する星曜日~Pure Love Story~
「お前は当然もう知っているのかと思ったから、口が滑った。

本当に悪い、忘れてくれ」



「忘れられるわけないじゃないですか!」




カイト先輩が留学なんて。

遠くに行ってしまうなんて。

取り乱すあたしの肩に、五味先生が手を乗せた。



「俺からは、何も言えない。

できれば聞かなかったことにして欲しい。

それが無理なら、詳細はあいつから聞いてくれ」



それだけ言うと、五味先生はあたしをその場に残して立ち去った。


あたしは――

棚に戻した参考書を、呆然と見つめていた。


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