恋する星曜日~Pure Love Story~
ポカポカした春の日差しが、心地良い午後だった。
あたしは、目を細めて空を見上げる。
「いい天気……明日の入学式は、桜が満開だろうなぁ」
澄み切った青い空が、明日から始まる高校生活に爽やかな期待を抱かせる。
「どうぞ、キャンペーンで差し上げてます」
ふいに、さっきのお兄さんの声が耳に入ってきて、あたしは視線をそっちに向けた。
――あのお兄さん、大学生くらいかな。
細身で長身の体形が、あたし好み。
長すぎず、短すぎないサラサラの黒髪は、清潔感があって。
顔も、なかなかイケてる。
ああいう素敵な人には、やっぱり素敵なカノジョがいるんだろうな……
そんなことを、ぼんやりと考える。