恋する星曜日~Pure Love Story~
「というわけだけど……」



説明をしてくれていたカイト先輩の声が、ふいにピタっと止まった。



「……聞いてる?」



カイト先輩にそう尋ねられ、あたしは慌てる。



「あ、はい、聞いてます、聞いてます!」



いけない。

教えてもらってるんだから、そっちに集中しなくちゃ。

――と思った次の瞬間。



「セーラちゃんさ……」



カイト先輩が教科書をパタンと閉じて、あたしを見つめてきた。



「な、なんですか?」

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