恋する星曜日~Pure Love Story~
――ダイスケに指定された待ち合わせ場所は、駅前広場だった。


午後2時10分前。

時間より少し早く着いたあたしは、駅前広場でやっているキャンペーンを目にして、思わず苦笑した。

そこには今日も、「エイズ撲滅キャンペーン」ののぼりが立っていて、黄色いTシャツを着た人たちが、「アレ」を配っていたのだ。

そしてそこには、カイト先輩の姿もあって。



「セーラちゃん!」



あたしに気づいたカイト先輩が駆け寄ってきた。



「今日のデートって、ここで待ち合わせだったんだ?」



「そうです」



「その格好、似合ってるよ」



Aラインの白いワンピに、水色の半袖カーディガン。

バッグと靴も白でそろえたその格好は、2時間も悩んで決めたコーディネートだった。



「ありがとうございます」


< 59 / 438 >

この作品をシェア

pagetop