恋する星曜日~Pure Love Story~
がんばれよ、とあたしの頭をポンっとたたいて、カイト先輩は広場の中央へ戻っていった。


あたしはベンチに座り、通行人にチラシとアレを配るカイト先輩を見つめていた。


あの出会いから、もう2か月も経つんだ。

あの時は、まさかあのお兄さんとこんなに親しくなるなんて、思ってもいなかったな……




「――ラ、セーラっ!」



肩をたたかれて、ハっと顔を上げる。

あたしの横には、ダイスケが立っていた。



「あっ、ダイスケ」



カイト先輩の姿に見入っていたあたしは、ダイスケが近くに来ていたことさえ、気づかなかったようで。



「何度も声かけたのに。気づけよ」



「ごめん」

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