恋する星曜日~Pure Love Story~
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それから、いったん展望台を後にして。

ドライブをしたり夕食を取ったりして、日が暮れたころ、あたし達は展望台に戻ってきた。

もちろん、別に展望台に登るまでもなく星空は見えるわけだけど……



「誰もいない展望台から夜空を見上げると、星空をひとり占めしてる気分になれるんだ。

……今日は、『ふたり占め』だけど」



そう言ったカイト先輩の気持ちが、何だか分かるような気がした。

辺りは静かで、視界を遮るものは何ひとつなく。



「……なんだか、星空に吸い込まれそう」



そんな気分になる。



ふいに、カイト先輩があたしの肩に手を置いた。



「でさ。ここなら心おきなく泣けるだろ?

……俺、先に下に降りてるから。

思いきり泣いて、スッキリしろよ」
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