恋する星曜日~Pure Love Story~
そう言って、カイト先輩があたしから離れて階段の方へ向かおうとしたから。

あたしは慌てて先輩を呼び止めた。



「先輩! あの……」



「ん?」



振り向いた先輩に。



「あの……できれば……貸してほしいんですけど」



「え?」



ちょっと勇気がいったけど。



「貸してくれませんか。……胸」



あたしは少しうつむいて、そんなことを頼んだのだった。



だって――

こんなキレイな星の下で、ひとりで泣くのは寂しすぎるから――
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