半径1メートルの悲劇






「着いた。」


え?ここ?
嘘だろ!?





驚くのは当然だ。
だって、俺と同じマンションだもん。


「じゃあ、また。」


高岡はマンションの中に入った。
当然、俺も中に入る。
俺の家でもあるし。


「なんで着いて来るの!?
帰れよ!!」

「残念なお知らせ。
俺もこのマンション。」

「・・・。
嘘でしょ?」

「嘘ついてまでお前の後をつけるか?普通?」

「・・・まあ、いいや。
私はエレベーターで行くから、あんたは階段ね?」

「なんでだよ!?」

「男と密室で二人きりなんてありえないから。」

「・・・。」





ってことで、俺は階段。
高岡はエレベーターへ向かった。
いつか仕返ししてやるとこの瞬間、誓った。



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