白桜~伝説の名刀と恋の物語~【完】
その時である。
「奥様・・・ご主人様がお呼びです。」
(また・・・)
紗枝は背筋に何かが走るのを感じたが、これも最近では運命だと割り切っていた。
「わかりました・・・すぐに参ります。」
そういうと、紗枝はそそくさと身なりを整えた。

どのように陵辱されようと、女としてのプライドだけは守りたい。そう自らに言い聞かせるように。

次郎の部屋に入ると、次郎が冷たい目で紗枝を見る。
この男の凍りついた目だけは、いつまでも慣れない紗枝であった。
「紗枝。」
「はい。」
「実はふと小耳にはさんだのだが・・・城に使いに出ておるときな。お主、男に会っておるそうな?」
「いえ、めっそうもございません。」
「諏訪殿のお手つきのあと、また男を喰らうとは、お主の『ここ』も立派なものじゃのう?」
そういいながら、次郎は着物の上から紗枝の『その部分』を撫でる。
「いやっ…そのようなこと…」
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