白桜~伝説の名刀と恋の物語~【完】
「いえ、私は・・・その運命という言葉にもあるひとつの結論に達しました。」
「結論?」
紗枝は思わず聞き返した。
自分がずっと悩み、苦悩し続けてきたことをこの男は結論に達した、と言っているのである。
「運命・・・その言葉は至極聞こえのいいものに聞こえますが・・・生まれてきたときより、人がその運命を定められ・・・その輪の中に生きることを余儀なくされ決して逆らえないというのが運命なのだとしたら・・・『生きる』という意味は一体なんなのです?」
常篤の言葉が熱を帯びてくる。
「今、民は塗炭の苦しみを味わい・・・日々両親や兄弟を亡くす悲しみの日々が続いています。それでも人は、生きることをあきらめないんです。子を思う親が死を覚悟して労役に向かう。飢餓に苦しみながらも子を思い、子に残り少ない食べ物を与える母親がいる。こんな苦しみも、そして痛みも、切なさも孤独も・・・それがもし運命という言葉で片付けられるのなら・・・生きる意味など存在しない!」
「常篤様はその意味を体現する・・・と?」
「結論?」
紗枝は思わず聞き返した。
自分がずっと悩み、苦悩し続けてきたことをこの男は結論に達した、と言っているのである。
「運命・・・その言葉は至極聞こえのいいものに聞こえますが・・・生まれてきたときより、人がその運命を定められ・・・その輪の中に生きることを余儀なくされ決して逆らえないというのが運命なのだとしたら・・・『生きる』という意味は一体なんなのです?」
常篤の言葉が熱を帯びてくる。
「今、民は塗炭の苦しみを味わい・・・日々両親や兄弟を亡くす悲しみの日々が続いています。それでも人は、生きることをあきらめないんです。子を思う親が死を覚悟して労役に向かう。飢餓に苦しみながらも子を思い、子に残り少ない食べ物を与える母親がいる。こんな苦しみも、そして痛みも、切なさも孤独も・・・それがもし運命という言葉で片付けられるのなら・・・生きる意味など存在しない!」
「常篤様はその意味を体現する・・・と?」