白桜~伝説の名刀と恋の物語~【完】
異変
その頃、福田屋では…
少し遅くに起き出した次郎が体の異常なだるさに気付いていた。
店の方から、母の怒鳴り声が聞こえる。番頭をはじめ丁稚連中も朝を寝過ごしたらしい。
話をよくよく聞いてみれば、紗枝が早朝より店の掃除や準備などをしていたおかげで助かりはしたが、皆寝過ごした上に、仕込みがおくれ、母の一恵がやっきになって怒鳴りちらしているらしい。
(紗枝だけが起き出していて…他のものはすべて眠りこけていたと…)
自分の体の今まで感じたことのないだるさに次郎は直感した。
(薬か?)
そのことが頭によぎると、次郎のその後の行動は早かった。
「紗枝を地下の間に幽閉せよ!絶対に逃がしてはならぬっ。紗枝が自害せぬよう、常に見張りをつけておけっ。私は諏訪様の屋敷に向かう!」
少し遅くに起き出した次郎が体の異常なだるさに気付いていた。
店の方から、母の怒鳴り声が聞こえる。番頭をはじめ丁稚連中も朝を寝過ごしたらしい。
話をよくよく聞いてみれば、紗枝が早朝より店の掃除や準備などをしていたおかげで助かりはしたが、皆寝過ごした上に、仕込みがおくれ、母の一恵がやっきになって怒鳴りちらしているらしい。
(紗枝だけが起き出していて…他のものはすべて眠りこけていたと…)
自分の体の今まで感じたことのないだるさに次郎は直感した。
(薬か?)
そのことが頭によぎると、次郎のその後の行動は早かった。
「紗枝を地下の間に幽閉せよ!絶対に逃がしてはならぬっ。紗枝が自害せぬよう、常に見張りをつけておけっ。私は諏訪様の屋敷に向かう!」