白桜~伝説の名刀と恋の物語~【完】
石州なる浪人侍は、この当時、日本でも指折りの剣士であった。しかし、その実力がゆえ、あまりにも人望を集めすぎたため、藩主より嫉妬を買い、これを避けるために脱藩したという。
今日初めて人を斬る常篤にとっては、経験も技術も単純に比較したなら相手にならないほど強大な相手であることは間違いない。
しかし、勝負は1対1である。互いに奥義をもつ一角の剣術使いであれば、勝負がつくのにさほどの時間はかからない。
なぜならば、互いに一撃必殺の奥義をもっているからである。今はただ、その機会を互いに探りあっているのである。
「諏訪様を斬ってなんとなす!」
「我が愛するものを守るため!」
常篤が横なぎに放った剣をその石州が受け流し、一歩踏み込んで縦に斬りつける。これを一歩下がっていなした常篤は引いた剣をそのまままっすぐに槍のように突き出した。
「白桜奥義受けてみよ!」
常篤はまっすぐにその刀を繰り出した。剣技で言えば『牙突』とでも言おうか。
それは自分と敵の最短距離を走る剣であり、予備動作がない。そのスピードと直線的な攻撃力は、白桜の長さの利を生かし、他の剣技の追随を許さないまさに一撃必殺の剣そのものであった。
今日初めて人を斬る常篤にとっては、経験も技術も単純に比較したなら相手にならないほど強大な相手であることは間違いない。
しかし、勝負は1対1である。互いに奥義をもつ一角の剣術使いであれば、勝負がつくのにさほどの時間はかからない。
なぜならば、互いに一撃必殺の奥義をもっているからである。今はただ、その機会を互いに探りあっているのである。
「諏訪様を斬ってなんとなす!」
「我が愛するものを守るため!」
常篤が横なぎに放った剣をその石州が受け流し、一歩踏み込んで縦に斬りつける。これを一歩下がっていなした常篤は引いた剣をそのまままっすぐに槍のように突き出した。
「白桜奥義受けてみよ!」
常篤はまっすぐにその刀を繰り出した。剣技で言えば『牙突』とでも言おうか。
それは自分と敵の最短距離を走る剣であり、予備動作がない。そのスピードと直線的な攻撃力は、白桜の長さの利を生かし、他の剣技の追随を許さないまさに一撃必殺の剣そのものであった。