白桜~伝説の名刀と恋の物語~【完】
「しかし…もう一人の常篤様を演じるとは…それは責任重大なお役目ですな…」
「なればこそ、これはこの日本広しと言えど、佐助ただ一人にしかできないこと。頼む。」
そういうと常篤は佐助にふかぶかと頭を下げた。
「もったいのうございます。」
佐助が頭を地面にこすりつける。百戦練磨のこの男は、この日初めて人知れず涙を流した。
そのあと、佐助はすぐに常篤の屋敷に向かった。途中で紗枝を見かけたが、今はまず屋敷に向かうことが先決であった。万一城からの追手が屋敷に火をかけたりしたら、常篤の願いをかなえることもかなわなくなる。
そして、常篤の部屋にあった白桜の剣と常篤の身に付けていた着衣などをまとめると、さっそく最後の主人の命令に向けた準備を始めたのである。
「なればこそ、これはこの日本広しと言えど、佐助ただ一人にしかできないこと。頼む。」
そういうと常篤は佐助にふかぶかと頭を下げた。
「もったいのうございます。」
佐助が頭を地面にこすりつける。百戦練磨のこの男は、この日初めて人知れず涙を流した。
そのあと、佐助はすぐに常篤の屋敷に向かった。途中で紗枝を見かけたが、今はまず屋敷に向かうことが先決であった。万一城からの追手が屋敷に火をかけたりしたら、常篤の願いをかなえることもかなわなくなる。
そして、常篤の部屋にあった白桜の剣と常篤の身に付けていた着衣などをまとめると、さっそく最後の主人の命令に向けた準備を始めたのである。