白桜~伝説の名刀と恋の物語~【完】
この舞台裏には、佐助ら甲斐忍の一党と、江戸御庭番衆との水面下での争いがあったのであるが。
ともかく、このことによって、藩内の情勢の第一報が知らせられることとなったのである。
幸民のもとに、次の一報が知らされたのは、かなり後の四月六日のことであった。
もう日も暮れるかという頃、江戸屋敷に早馬が届いた。使いの者はすでに息も絶え絶え、すでに昏倒して何も話せない状態であるらしい。
その書状は以下のようなものであった。
『本日四月四日、家老諏訪様、高村仁左衛門常篤なる人物に斬られ慙死。下手人は自ら出頭し、現在は城内の地下牢にて幽閉せし。その処遇について、家中の意見まとまらず、ついに殿の裁断を仰ぐものなり。』
とあった。
(諏訪が斬られた・・・)
それは衝撃的な事実であったが、幸民はここでまた不審な点に思い当たった。
ともかく、このことによって、藩内の情勢の第一報が知らせられることとなったのである。
幸民のもとに、次の一報が知らされたのは、かなり後の四月六日のことであった。
もう日も暮れるかという頃、江戸屋敷に早馬が届いた。使いの者はすでに息も絶え絶え、すでに昏倒して何も話せない状態であるらしい。
その書状は以下のようなものであった。
『本日四月四日、家老諏訪様、高村仁左衛門常篤なる人物に斬られ慙死。下手人は自ら出頭し、現在は城内の地下牢にて幽閉せし。その処遇について、家中の意見まとまらず、ついに殿の裁断を仰ぐものなり。』
とあった。
(諏訪が斬られた・・・)
それは衝撃的な事実であったが、幸民はここでまた不審な点に思い当たった。