白桜~伝説の名刀と恋の物語~【完】
「そうじゃ。お主が常篤様を生かし、後の世に語り継ぐのだ。そうすることで、常篤様はお主の剣の中に生きる。そして、白桜の意思をついで、お主がこの剣技で次の世を作るのだ。」
「世を・・・作る・・・」
「それこそが、最後の常篤様の望みなのだ。分かるか?」
そのとき秀五は、佐助の背中に、常篤の姿をうっすらと見た。
(頼むぞ・・・秀五!)
その常篤は、笑顔で秀五にそう語りかけたのである。
「はい!」
秀五は子どもらしい、しかし、凛とした声でその常篤に答えたのである。
「こちらは・・・もうダメじゃな。」
佐助は紗枝を見た。
紗枝はすでに生きた屍のごとき状態であった。
(いたしかたない・・・)
確かにそうであろう。これだけの運命に翻弄され、男に玩具にされ、最後の希望であった最愛の男を一瞬のうちに奪われたのだ。
「世を・・・作る・・・」
「それこそが、最後の常篤様の望みなのだ。分かるか?」
そのとき秀五は、佐助の背中に、常篤の姿をうっすらと見た。
(頼むぞ・・・秀五!)
その常篤は、笑顔で秀五にそう語りかけたのである。
「はい!」
秀五は子どもらしい、しかし、凛とした声でその常篤に答えたのである。
「こちらは・・・もうダメじゃな。」
佐助は紗枝を見た。
紗枝はすでに生きた屍のごとき状態であった。
(いたしかたない・・・)
確かにそうであろう。これだけの運命に翻弄され、男に玩具にされ、最後の希望であった最愛の男を一瞬のうちに奪われたのだ。