白桜~伝説の名刀と恋の物語~【完】
さらに、聞けば紗枝の元に縁談がピタリとこなくなったのも、福田屋の仕業だという噂がまことしやかにささやかれてもいた。噂では縁談を持ち込もうとしたある武家の次男某がいきなり何者かに斬られたなどというぶっそうな噂もあった。
(もはやここまで…)
紗枝はあらがえない自分の運命にこれ以上周囲を巻き込んで逆らうことは出来なかったのである。
そしてついに口にしたのが
「わたくし、福田様に嫁ぎます。」
その悲しい言葉なのであった。
こうして、紗枝は第一の縁を失ってまもないというのに、早くも第二の縁が彼女を翻弄することになるのである。
(もはやここまで…)
紗枝はあらがえない自分の運命にこれ以上周囲を巻き込んで逆らうことは出来なかったのである。
そしてついに口にしたのが
「わたくし、福田様に嫁ぎます。」
その悲しい言葉なのであった。
こうして、紗枝は第一の縁を失ってまもないというのに、早くも第二の縁が彼女を翻弄することになるのである。