白桜~伝説の名刀と恋の物語~【完】
数日後その産婆が再び常篤の元を訪れたときに、常篤は初めて自分が縁談を『申し込んだ』らしいことに気付いたのである。
それから数日。再びその産婆が常篤の元を訪れた。
「仁左衛門さまぁ…すまねえ。」
「何がですか?」
「前にアタシがすすめた後家さんだがね」
「ああ!あの方ですか。」
「すまねえが、聞いてみるとどうも福田屋のせがれが縁談をもちかけたようで…」
「ははは…」
と仁左衛門は笑いながら
「私は一度お断りしたのですから、その娘さんも幸せになるとよろしいですね。」
とあたりさわりのない返事をする。
そこでその産婆は初めて自分が『勘違いして』縁談を進めていたことに気付いたらしい。
「けんども…」
それから数日。再びその産婆が常篤の元を訪れた。
「仁左衛門さまぁ…すまねえ。」
「何がですか?」
「前にアタシがすすめた後家さんだがね」
「ああ!あの方ですか。」
「すまねえが、聞いてみるとどうも福田屋のせがれが縁談をもちかけたようで…」
「ははは…」
と仁左衛門は笑いながら
「私は一度お断りしたのですから、その娘さんも幸せになるとよろしいですね。」
とあたりさわりのない返事をする。
そこでその産婆は初めて自分が『勘違いして』縁談を進めていたことに気付いたらしい。
「けんども…」