白桜~伝説の名刀と恋の物語~【完】
(自分が嫁ぐことで両親の老後が安泰となるならそれはそういう運命として受け入れよう…)
紗江はそう思っていたのである。
奥に通されたとき、紗枝の両親は打ち合わせと称して、先に玄関近くの大広間に案内された。そして、紗枝だけが一人一番奥の間に通されたのである。
やがてそこに福田次郎と名乗る男が入ってきた。
「本日は我が家にわざわざご足労いただきありがとうございます」
丁寧に挨拶をしたその男。
もう少し年輩の相手を予想していた紗枝は少々面食らった形となった。
(思った以上に・・・若い。)
「これはご挨拶が遅れまして失礼いたしました。紗枝にございます。」
紗枝が丁寧に頭を下げる。
「いや、評判通りお美しい。」
福田屋、という看板の裏にある高利貸しの悪名を聞いていた紗枝には、この男がそのような男であるとは思えなかった。
それほど物腰柔らかで、その声には安心感がただよっていたのである。
「この度は急なお話、さぞおどろかれたことでしょう。」
「いえ…私のような後家をみそめていただいて…ありがとうございます。」
紗江はそう思っていたのである。
奥に通されたとき、紗枝の両親は打ち合わせと称して、先に玄関近くの大広間に案内された。そして、紗枝だけが一人一番奥の間に通されたのである。
やがてそこに福田次郎と名乗る男が入ってきた。
「本日は我が家にわざわざご足労いただきありがとうございます」
丁寧に挨拶をしたその男。
もう少し年輩の相手を予想していた紗枝は少々面食らった形となった。
(思った以上に・・・若い。)
「これはご挨拶が遅れまして失礼いたしました。紗枝にございます。」
紗枝が丁寧に頭を下げる。
「いや、評判通りお美しい。」
福田屋、という看板の裏にある高利貸しの悪名を聞いていた紗枝には、この男がそのような男であるとは思えなかった。
それほど物腰柔らかで、その声には安心感がただよっていたのである。
「この度は急なお話、さぞおどろかれたことでしょう。」
「いえ…私のような後家をみそめていただいて…ありがとうございます。」