白桜~伝説の名刀と恋の物語~【完】
当然、この諏訪の追加上納は福田屋が深く関与していたのであるが、これは余人が知ることはなく、実際に8000両の追加上納があったことは誰もが確認していることなのだから、ケチのつけようがなかった。
藩士たちは否応なく、あらゆる手段と方法で心を鬼にし、民からの取立てを強制された。
民はやせ細り、夜中には家を捨てて夜逃げするものもあらわれ始めた。夜盗や山賊のような稼業を始める武士たちも現れたといい・・・藩内の財政が回復すればするほど、治安は乱れ、人心は乱れていったのである。
もはや、松代藩はそういう意味でも危機的な状況にあった。
そんな中、諏訪はその日も福田次郎を屋敷に呼んで、酒を酌み交わしていた。
「しかし・・・お主このような金子をどこに持っておったのじゃ?」
「・・・それは聞かないお約束だったはずにございます。」
福田屋が答える。
「そうじゃったな。しかし・・・これで藩の借金はほぼなくなった。これでいよいよ次の策に転じることができる。これからが本番じゃてな。」
藩士たちは否応なく、あらゆる手段と方法で心を鬼にし、民からの取立てを強制された。
民はやせ細り、夜中には家を捨てて夜逃げするものもあらわれ始めた。夜盗や山賊のような稼業を始める武士たちも現れたといい・・・藩内の財政が回復すればするほど、治安は乱れ、人心は乱れていったのである。
もはや、松代藩はそういう意味でも危機的な状況にあった。
そんな中、諏訪はその日も福田次郎を屋敷に呼んで、酒を酌み交わしていた。
「しかし・・・お主このような金子をどこに持っておったのじゃ?」
「・・・それは聞かないお約束だったはずにございます。」
福田屋が答える。
「そうじゃったな。しかし・・・これで藩の借金はほぼなくなった。これでいよいよ次の策に転じることができる。これからが本番じゃてな。」