白桜~伝説の名刀と恋の物語~【完】
「しかし・・・その前に藩士たち掌握が先ですね。諏訪様に対しての怨嗟の声はあちこちにあふれております。私ども商人の耳にまで聞こえてまいりますゆえ。」
「そう、そのことじゃ。これにはワシもさすがに頭を悩ましておる。」
「いっそのこと、飢えた浪人や藩士を金で雇って大規模な夜盗・山賊狩りなどなされては?」
「それにはまた金がいるではないか。」
「それは私めにお任せくだされば。」
「福田屋、そちはまだそのような金をもっておるのか?」
「・・・まあ、いささか、アテがありますれば・・・」
「なるほど・・・例の薩摩の・・・。ワシがそのようなことをはじめれば、さらに藩内でワシに口を出すものはおらぬようになるの。」
頼重はククク、と小さく笑った。
「・・・しかしあれじゃ。問題は領民のことよな。そちの策で心をごまかすことはできても、腹までごまかすことはできまい。このままでは、搾り取るより前に死んでしまうわい。」
「それには・・・私めに考えがございます。」
その日の密談は朝までに及んだ。
「そう、そのことじゃ。これにはワシもさすがに頭を悩ましておる。」
「いっそのこと、飢えた浪人や藩士を金で雇って大規模な夜盗・山賊狩りなどなされては?」
「それにはまた金がいるではないか。」
「それは私めにお任せくだされば。」
「福田屋、そちはまだそのような金をもっておるのか?」
「・・・まあ、いささか、アテがありますれば・・・」
「なるほど・・・例の薩摩の・・・。ワシがそのようなことをはじめれば、さらに藩内でワシに口を出すものはおらぬようになるの。」
頼重はククク、と小さく笑った。
「・・・しかしあれじゃ。問題は領民のことよな。そちの策で心をごまかすことはできても、腹までごまかすことはできまい。このままでは、搾り取るより前に死んでしまうわい。」
「それには・・・私めに考えがございます。」
その日の密談は朝までに及んだ。