白桜~伝説の名刀と恋の物語~【完】
窮状極まれり
新たなる改革
さて。
その年の収穫も終わり、秋も終わりを告げようとしていた頃。
家老諏訪頼重は城代家老にまでのぼりつめ、ついに次の改革を命令した。それは『新たに三万石の開墾を行う』というものであった。
現状の土地だけでは、もはや藩政をささえることはできない。そこで、さらに新たな土地を選定し、そこを開墾し、石高を増やす。
これはいつぞやに福田屋が進言した案によるものであった。
周囲が慄然とした。
「ただでさえ、自分の農地で手がいっぱいであるといのに・・・」
周囲からは多くの反対が出た。
しかし諏訪は
「だまらっしゃい!」
ピシャリとこれを押さえた。
常篤もこの命令を聞いたときは驚きと怒りをかくせなかった。
(なんということを・・・)
しかも、この石高増封計画は、大規模かつ性急に行われるという。今すぐにこれを開始し、来年中には1万石以上の開墾を進めるというものであった。すぐに各村から、大人五人につき二人をこの工事に出せとの命令が下った。
その年の収穫も終わり、秋も終わりを告げようとしていた頃。
家老諏訪頼重は城代家老にまでのぼりつめ、ついに次の改革を命令した。それは『新たに三万石の開墾を行う』というものであった。
現状の土地だけでは、もはや藩政をささえることはできない。そこで、さらに新たな土地を選定し、そこを開墾し、石高を増やす。
これはいつぞやに福田屋が進言した案によるものであった。
周囲が慄然とした。
「ただでさえ、自分の農地で手がいっぱいであるといのに・・・」
周囲からは多くの反対が出た。
しかし諏訪は
「だまらっしゃい!」
ピシャリとこれを押さえた。
常篤もこの命令を聞いたときは驚きと怒りをかくせなかった。
(なんということを・・・)
しかも、この石高増封計画は、大規模かつ性急に行われるという。今すぐにこれを開始し、来年中には1万石以上の開墾を進めるというものであった。すぐに各村から、大人五人につき二人をこの工事に出せとの命令が下った。