白桜~伝説の名刀と恋の物語~【完】
「なるほど…素晴らしい。」
男がつぶやくように口にする。
「諏訪の手の者か?」
常篤が言う。
「ならば・・・どういたしますか?」
男はあいかわらず口元に浮かべた笑みを崩さずに言う。
「…」
常篤は男の目をみつめ、そして刀をサッと収めた。
「そなたの殺気が消えた…諏訪の手の者でなければ斬る理由もない。」
そういうと常篤は男に背を向けた。
「失礼いたした。」
男はかた膝をついて礼を述べると、
「私、第十代佐助を名乗る者。先代の命に従い、武田仁左衛門常篤様にお味方いたしまする。」
「そのような者がおるとは聞いておらぬが…」
「はい。我等、本来忍びのものなれば…時が来るまでは潜伏し、技を練り、機を待つのがつとめにございますれば。」
「なるほど。」
「私は特に潜入による物見を得意といたします。顔相や身体を操る操身術の使い手なれば、何かとお役に立てるかと思いまする。」
「お心誠にありがたきことながら、この常篤、やるべきことは一人でなしえます。」
男がつぶやくように口にする。
「諏訪の手の者か?」
常篤が言う。
「ならば・・・どういたしますか?」
男はあいかわらず口元に浮かべた笑みを崩さずに言う。
「…」
常篤は男の目をみつめ、そして刀をサッと収めた。
「そなたの殺気が消えた…諏訪の手の者でなければ斬る理由もない。」
そういうと常篤は男に背を向けた。
「失礼いたした。」
男はかた膝をついて礼を述べると、
「私、第十代佐助を名乗る者。先代の命に従い、武田仁左衛門常篤様にお味方いたしまする。」
「そのような者がおるとは聞いておらぬが…」
「はい。我等、本来忍びのものなれば…時が来るまでは潜伏し、技を練り、機を待つのがつとめにございますれば。」
「なるほど。」
「私は特に潜入による物見を得意といたします。顔相や身体を操る操身術の使い手なれば、何かとお役に立てるかと思いまする。」
「お心誠にありがたきことながら、この常篤、やるべきことは一人でなしえます。」