Sugar→
「あ、すみません。使っているライターが同じ物だから驚いてしまって…」
嘘は付いていない…
真実なのだから
『紫陽花…此処は良く見えて、綺麗なんですよね…』
女性は全く気にもしてない様子で
話を遮った…
同じライター
同じ煙草
同じ紫陽花が…
『私…』
『サオリっていいます…宜しく、ね?』
…?
考え事をしていたから
反応出来なかった
名前…?
何が宜しいんだ…?
流石に状況理解が
追い付かない…
『え、あ…はい。宜しく』
『アヤさん、良かったら…近いうちに機会を作って、話しませんか…?』
『えっと、はい…大丈夫ですよ?』
一方的に伝えられて
返事も無いまま
女性は消えるように
居なくなった…