Sugar→
微かな非現実
確かな現実の
曖昧な現実…
(知り合いでも
繋がり等も
ない女性に
何度、ありがとう
と伝えるのだろう…)
まだライターを
差し延べている
女性に
聞こえる声で
ありがとう、と
伝え
ジェスチャーで
受け取りを
拒否して
落とした
ライターを拾った
ベンチに座る前から
握っていたライター…
汗で砂が纏わり付き
金属なのに
温かかった…
自分のライターで
煙草に火を点け
煙りを深く吸い込み
溜め息交じりに…
紫の煙りを吐き出した…
なんだ…?
見たら
煙草の銘柄まで
一緒なのか…
目を綴じ
良く分からない
笑いを堪えながら
微笑した…
目を開けたら
女性は
僕に視線を向けて
笑顔を向けていた