銀色の月光

 カナメは、サラサラの砂地に

無数に突き出した黒い木の上にいた。
 

黒い木は、

この地に生える、

清めの生命体だといわれている。

”不浄”の塊の龍が

地面に落ちると、

そこから芽を出し、

爆発的に成長して、黒く枯れる。

それが”浄化”のサインだ。

と言われている。

実際にヒルすらそのどの瞬間も

目のあたりにしたことはなかったが。

それはもろく崩れやすい。

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